はじめに
永住者であっても、身分証明書である在留カードには有効期限があり、定期的な更新手続きが法律で義務付けられています。更新を忘れると、思わぬトラブルや罰則の対象となる可能性があるため注意が必要です。
ここでは、永住許可申請を専門とする行政書士が、
永住権と在留カード更新の違い、
具体的な更新手続きの流れ、
更新を忘れた場合のリスク について分かりやすく解説します。
これから永住権取得を検討されている方へ
永住許可申請には、一定期間の在留実績、安定した収入、納税・年金・健康保険といった公的義務の適切な履行など、さまざまな要件があります。また、申請時には必要書類の準備や理由書の作成も重要なポイントです。
永住権申請の条件や必要書類、申請の流れを詳しく知りたい方は、「日本の永住権申請:完全ガイド」 もあわせてご覧ください。
永住権に更新は必要なのか?
結論として、永住権そのものに更新は必要ありません。
永住者は「永住者」という在留資格を無期限で保有できるため、通常の在留資格のように数年ごとに在留期間更新許可申請を行う必要はありません。
ただし、多くの方が混同しやすいのが、「永住権」と「在留カード」は別物であるという点です。
永住権と在留カードの違い
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永住権(永住者の在留資格)
・在留期間の制限や更新手続きはありません。
・退去強制事由に該当しない限り、日本に継続して在留できます。 -
在留カード
・日本に中長期在留する外国人のための身分証明書です。
・有効期限が設定されており、定期的な更新が必要です。
永住者の在留カードの有効期限と申請時期
16歳以上の永住者の在留カードは、原則として交付日から7年間有効です。
例えば、2026年7月1日に永住許可を取得し在留カードが交付された場合、在留カードの有効期限は2033年7月1日となります。
永住許可取得後は次の更新までの期間が長いため、有効期限を忘れてしまう方も少なくありません。
在留カードを受け取った際には、表面の「有効期間の満了日」を必ず確認し、スマートフォンのリマインダーアプリなどに登録しておくことをお勧めします。
在留カード更新の申請時期
在留カードの有効期間更新申請は、有効期限満了日の3か月前から行うことができます。
期限が近づくと入管窓口が混雑することもあるため、余裕をもって早めに手続きを進めると安心です。
在留カード更新の手続き場所と必要書類
申請場所
原則として、お住まいの地域を管轄する地方出入国在留管理局(入管)の窓口で手続きを行います。
窓口は平日のみの受付となるのが通常です。
必要書類
一般的には、次の書類を準備します。
- 在留カード有効期間更新申請書(出入国在留管理庁ホームページからダウンロード可能)
- 顔写真(縦4cm×横3cm、6か月以内に撮影したもの)
- パスポート
- 現在の在留カード
- その他入管から求められた書類
交付日と手数料
多くの場合、手続き当日に新しい在留カードが即日交付されます。
また、永住者の在留カード有効期間更新手続きについては、通常、手数料はかかりません。
在留カードの更新を忘れた場合のリスク
在留カードの有効期限が切れても、直ちに永住者資格が失われたり、不法滞在になったりするわけではありません。しかし、有効な在留カードを所持していない状態は、在留カード有効期間更新義務違反となります。
場合によっては、「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」の対象となる可能性もあります。
日常生活で起こりうるトラブル
在留カードが失効したまま放置すると、次のような問題が生じるおそれがあります。
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銀行口座の凍結
近年、銀行による在留カードの有効期限チェックが厳格化しており、期限切れを放置すると口座が凍結され、預金を引き出せなくなることがあります。 -
携帯電話の契約に関する支障
新規契約や機種変更の手続きができなくなる場合があります。 -
勤務先とのトラブル
企業には外国籍社員の在留状況を把握する義務があるため、雇用上の問題に発展するリスクがあります。 -
住宅ローンや各種ローンの審査落ち
本人確認ができないため、ローンの審査や契約が進められないことがあります。 -
海外への出入国制限
みなし再入国許可などを利用して出国することができなくなる場合があります。
在留カードの期限が切れていた場合の対処法
万が一、有効期限が過ぎていることに気付いた場合は、できるだけ早く管轄の出入国在留管理局へ行き、窓口で相談しましょう。
その際は、「在留カードの更新期限が過ぎてしまったため、至急更新手続きをしたい」と正直に申し出ることが大切です。
故意に放置していたわけではなく、気付いてすぐに手続きを行った場合には、その場で指導を受けたうえで、通常どおり更新手続きを進めてもらえるケースがほとんどです。
まとめ
永住権は一度取得すれば在留期間の更新は不要ですが、在留カードには有効期限があり、定期的な更新手続きが必要です。
在留カードの更新を忘れても、直ちに永住権を失うわけではありませんが、在留カード有効期間更新義務違反として罰則の対象となる可能性があり、銀行口座や携帯電話の契約など、日本での生活に大きな支障が生じるおそれがあります。
永住者の方は、在留カードの有効期限を定期的に確認し、期限が近づいたら早めに更新手続きを行うことで、安心して日本での生活を続けることができます。
