【2026年最新】永住許可の手数料が20万円に大幅改定|行政書士が詳細を解説

はじめに

在留資格に関する手数料は2025年4月に改定されたばかりですが、その後、政府は2026年3月10日に入管難民法等の改正案を閣議決定し、在留資格に関する手数料の上限額を大幅に引き上げる方針を示しました。
そして2026年7月3日、出入国在留管理庁は令和8年10月1日施行予定の政令案を公表し、永住許可では、20万円となる方向性が示されました。これまで未定であった具体的な手数料額を初めて明らかにしました。
特に、

  • 永住許可申請
  • 在留資格変更許可
  • 在留期間更新許可

の手数料は大幅に引き上げられます。
永住権申請専門の行政書士が、2026年7月3日に出入国在留管理庁が公表した最新情報をもとに、制度改正の内容、背景、および今後の対策について詳しく解説します。

1. 今回の改正で何が変わるのか

今回の改正では、昭和56年以来約45年間据え置かれてきた在留許可手数料が全面的に見直されます。これまで法律で定められていたのは上限額のみでしたが、今回公表された政令案では、実際に支払う金額が明示されました。

施行予定日は、令和8年(2026年)10月1日となっています。

2. 改定後の手数料一覧

在留資格変更・在留期間更新

今回の特徴は、在留期間が長いほど手数料も高くなる仕組みです。また、オンライン申請は窓口申請よりも安く設定されています。

決定される在留期間 窓口於て申請 オンライン申請
3か月以下 10,000円
3か月超6か月以下 18,000円 15,000円
6か月超1年未満 25,000円 21,000円
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年超5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円

永住許可

永住許可の手数料は200,000円となる予定です。当初、「上限30万円」と報じられていましたが、今回の政令案では20万円と定められています。

3. 今回の改正のポイント

ポイント① 5年の在留期間ほど手数料が高額になる

これまで更新手数料は一律でしたが、今後は、決定される在留期間によって料金が異なります。
つまり、5年の在留資格を取得できる方ほど高額になります。一方で、短期間の在留資格であれば比較的低額となります。

ポイント② オンライン申請は最大1万円安い

今回の改正では、オンライン申請が積極的に優遇されています。
例えば 5年の在留期間では、

  • 窓口 75,000円
  • オンライン 65,000円

となり、1万円の差額があります。今後はオンライン申請の利用が増えることが予想されます。

ポイント③ 永住許可は20万円

永住申請は一律20万円となります。現在の10,000円と比較すると20倍の値上げです。永住権申請を予定している方にとっては、非常に大きな制度改正といえるでしょう。

4. なぜここまで大幅な値上げを行うのか

① 約45年間手数料が改定されていなかった

現在の制度は昭和56年に定められたものです。約45年間ほとんど改定されていませんでした。

② 在留外国人数が約5倍に増加

昭和56年末の在留外国人数は約79万人でしたが、令和7年末には約413万人と、約5.2倍に増加しています。在留外国人の急増により、審査、相談、システム、窓口対応など、行政コストが大幅に増加しています。

③ 外国人受入れ環境の整備

政府は、外国人との共生社会を実現するため、

  • 日本語教育
  • 相談体制
  • 情報提供
  • 行政DX
  • 難民保護
  • 不法滞在対策

などをさらに充実させる方針です。今回の手数料改定は、その財源確保も目的としています。

5. 出入国在留管理庁が今後強化するとしている施策

出入国在留管理のDX推進

デジタル技術を活用し、オンライン申請や審査業務の効率化を進めます。

難民保護や補完的保護の充実

難民認定や補完的保護対象者に対する支援を強化します。

不法滞在者ゼロプラン

政府が進める「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を推進します。

外国人共生施策

今後は

  • 日本語教育プログラム
  • 日本の制度やルールの学習支援
  • 多言語相談窓口
  • 情報発信

なども拡充される予定です。

6. 減額や免除制度も新たに設けられる

減額の対象者

生活保護受給者に準ずる程度に生活が困窮している方で、

  • 難民認定者
  • 補完的保護対象者
  • その他、人道上配慮が必要と認められる方

が対象となります。なお、具体的な対象者については今後ガイドラインで示される予定です。

減額後の金額
  • 在留資格変更・更新:最大10,000円まで減額
  • 永住許可:最大20,000円まで減額

免除対象者

手数料が免除されるのは、

  • 「外交」または「公用」への在留資格の変更
  • 「公用」の在留資格の更新
  • その他法務省令で定める者

となっています。

7. 永住権取得のメリットはさらに大きくなる

今回の制度改正では、永住許可の取得に20万円がかかります。しかし、永住権を取得すると在留資格の更新が不要になります。
例えば、5年ごとの更新手数料が65,000円〜75,000円になるため、長期間日本で生活する予定の方ほど、永住取得によるメリットは大きくなります。日本に16年以上在留するのであれば、20万円払ってでも永住許可を取得した方が得になります。
また、永住者は就労活動に制限がなく、転職や起業もしやすくなるほか、住宅ローンの審査など社会生活上の利便性が高まる点も大きなメリットです。

8. 外国人本人が今からできる対策

永住権申請を検討している方は、準備を早めに始めることをお勧めします。これにより、更新手数料の負担も抑えられます。
特に、以下の点を日頃から意識しておきましょう。

  • 安定した収入があること
  • 税金・年金・健康保険料の未納や支払遅延がないこと
  • 素行が善良であること(犯罪歴がなく、交通違反も少ないこと)
  • 転職や住所変更などの届出を期限内に行っていること
  • 海外に扶養する家族が極端に多くないこと
  • 地域活動やボランティアなど社会とのつながりがあること
  • 日本語能力や国家資格など、高度専門職ポイントの加点対象となる実績を積み重ねること

9. よくある質問 (FAQ)

Q1. 2026年10月1日より前に永住権申請をすれば、現在の手数料が適用されますか?

A. 原則として、許可を受ける時点の制度が適用されると考えられます。
今回公表された政令案では、改正法および改正政令の施行日は2026年10月1日とされています。そのため、2026年10月1日以降に在留資格の変更・更新・永住許可を受ける場合は、新しい手数料が適用されるでしょう。一方、2026年9月30日までに許可を受けた場合は、従来の手数料が適用されると考えられます。
なお、制度の詳細や経過措置については、今後正式に公布される政令や運用通知をご確認ください。

Q2. 永住権申請中ですが、2026年10月1日以降に結果が出た場合、どうなりますか?

A. 新制度施行後に許可を受ける場合は、新しい手数料が適用されるよう制度設計が進められています。在留資格の手数料は、申請時ではなく、許可後に在留カードを受け取る際に納付します。そのため、申請日ではなく「許可を受ける日」が施行日以降になる場合は、新しい手数料が適用されると考えられます。
ただし、この記事の執筆時点では政令案に対するパブリックコメントが実施されている段階であり、経過措置などの詳細は今後公表されると思われます。したがって、今後正式に公布される政令や運用通知をご確認ください。

Q3. 永住権申請もオンラインでできますか?

A. この記事の執筆時点では、この記事の執筆時点では、永住権申請はオンラインではできません。従来通り窓口での申請となります。

まとめ

2026年7月3日に出入国在留管理庁が公表した政令案により、同年年10月1日から永住許可の手数料が一律20万円へ大幅に引き上げられます。これは、永住申請を検討している方にとって極めて重要な変更です。
永住権を取得すると在留期間更新が不要になります。今後、5年更新の手数料が最大75,000円に上がることを踏まえると、長期在留者ほど永住権取得の経済的メリットは大きくなります。
永住権申請や在留資格の更新について不安がある方は、制度改正の内容を踏まえ、早めに専門家へ相談し、計画的に準備を進めることをお勧めします。