2026年以降、永住許可申請が厳しくなります!

2027年4月に施行予定の「永住許可取消制度」では、「悪意のある税金の未納」や「悪意のある社会保険料(年金、健康保険料)の未納」に対して、永住許可が取り消されることが可能となります。これにより、永住は「絶対的に安定した地位」を約束するものではなくなります。

このコラムでは、税金・社会保険料の未納以外の改正入管法について解説します。

永住許可のルールが見直される理由

日本政府は、在留外国人の急増を背景に、永住者を中心とした在留管理制度の厳格化を検討し始めました。2015年末には約223万人だった在留外国人数が、2025年6月末時点で約395万人に達し、この10年間で約1.7倍に増加しました。

この状況を踏まえ、自民党などは在留外国人比率が一定水準を超えた場合、外国人数を調整する「量的マネジメント」を考え始めました。その中で、外国人が最終目標とする在留資格である「永住者」が、最もターゲットとなっています。

「在留期間3年」では申請ができなくなる

(1)現状

永住許可に関するガイドラインでは、永住申請を行うためには「最長の在留期間」で在留していることが必要です。この「最長の在留期間」とは、本来「5年」を指しますが、経過措置として「3年」であっても永住許可を申請することができました。

2024年10月30日に改訂された永住許可ガイドラインにおいても、「当面、在留期間『3年』を有する場合は、『最長の在留期間(5年)』をもって在留しているものとして取り扱う」とされています。

(2)厳格化案の方向性

現在、この3年を最長期間とみなすこと自体を廃止することが検討されています。2026年以降、「必要な在留期間が5年になる」可能性があります。

永住許可要件の1つに「日本語能力」が導入されます

(1)日本語能力要件の検討

自民党は、永住許可の要件として「一定程度の日本語能力」を新たに加える方向で検討を進めています。さらに、地域社会へのスムーズな定着を目的とした共生プログラムや教育の受講を条件とする点についても検討されています。

これらの検討事項は、2027年4月に施行予定の改正入管法に加えられる見込みです。

(2)導入理由

永住者は「日本でずっと生活することを前提とした法的地位」を持ちますが、帰化とは異なり、これまで日本語能力は永住許可の要件ではありませんでした。その結果、日本語の理解不足を原因とするトラブルが多発しています。

これらの問題を解決するために、日本語能力の要件化が検討されています。

国民健康保険・年金未納と在留審査への反映

在留期間が3か月を超える外国人は、国民健康保険への加入が義務付けられていますが、外国人の国保納付率は約63%と、全体平均の93%を大きく下回っています。

このため、国民健康保険に一定額以上の未納がある場合、在留資格の更新や変更ができなくなる方向で検討が進められています。
具体的には、市区町村役場が保有する未納情報を出入国在留管理庁が参照できるようになります。この制度の運用は2027年6月から始まる予定です。

医療費不払い情報の共有基準引き下げ

現状、医療費の不払い額が20万円以上の場合に出入国在留管理局へ情報が共有されますが、この基準は1万円以上の不払いまで引き下げられる予定です。これにより、一度でも医療費の不払いがあると、短期滞在や再入国審査などに影響が出る可能性が高まります。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の職務管理が強化されます

「技術・人文知識・国際業務」は、2番目に多い在留資格で、2025年6月時点で約45万人、全体の約11%を占めています。

この在留資格は、本来特定の専門性を要する業務にしか従事できませんが、実態として単純労働に従事している事例が散見されています。
そのため、「従事する職務の厳格化」と「派遣会社や受入企業に対する監督の強化」が検討されています。

帰化要件が見直されます

現状、日本国籍を取得するために必要な居住期間は「5年以上」です。この期間が、永住許可に必要な「原則10年以上」より短いことが以前から問題視されていました。

そのため、帰化についても、居住期間を「10年以上」に引き上げる方向が検討されています。