引っ越しが多い人の永住申請のポイント

監修:藤澤 信(特定行政書士 / 申請取次行政書士)
公開日:2026/02/11

引っ越し回数が多い場合、入国管理局はその理由を確認することがあります。
引っ越しが審査に与える影響は、住居移転が収入の変動に関連しているかどうかによって異なります。
単に引っ越しをしただけで、直ちにマイナス評価を受ける可能性は高くありません。

本コラムでは、引っ越しが多い場合に問題となりやすいケースや、永住許可申請における注意点について解説します。

引っ越し理由と審査への影響

引っ越しが問題とならない場合

  • 仕事の都合(就職・転勤)による引っ越し
  • 結婚などライフスタイルの変化に伴う新生活の開始
  • 子どもの誕生に伴う住環境の変更
  • 進学・就学による寮や下宿への入居
  • マンションや戸建て住宅の購入に伴う引っ越し
  • 治安・騒音・間取りなど住環境改善を目的とした引っ越し
  • 子どもの成長や進学に伴う学区変更のための引っ越し
  • 定期借家契約の満了による引っ越し

引っ越しが問題となる場合

収入が減少し、家賃負担を抑えるためにやむを得ず家賃の安い住居へ移転するケースでは、
生活の安定性に疑問を持たれる可能性があります。

ケースバイケースとなる場合

  • 気分転換やライフスタイルの変化を理由とした都会と郊外の移動
  • 賃貸借契約の終了や更新に伴う住み替え

引っ越しにおける注意点

1.転居届と各種手続き

引っ越し直後は慌ただしくなりがちですが、転居日から14日以内に市区町村役場へ転居届を提出する必要があります。
市町村へ届け出を行えば、その情報は入国管理局にもオンラインで共有されるため、別途入国管理局への届出は不要です。

転居により、住民税・国民健康保険・国民年金などの管轄が変更されます。
転居届を提出しないままでいると、納税通知書が届かず未納が発生することがあり、
これは永住許可審査において重大なマイナス要素となります。

引っ越し後は、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 過去数年分の納税証明書を取得し、未納・滞納がないか確認する
  • 会社員の場合、給与の住民税天引きが正しく行われているかを総務・人事部に確認する
  • 国民健康保険に加入していた期間がある場合、保険料の滞納がないか市区町村で確認する

2.頻繁な転居による印象

短期間(数か月~1年程度)で何度も転居を繰り返している場合、
入国管理局から「日本に定住する意思があるのか」という疑問を持たれる可能性があります。

落ち着いた生活基盤を築こうとしていない、あるいは永住計画に一貫性がないと判断されると、
将来的な日本での定住性に疑問を持たれ、永住申請において不利に働くことがあります。

入国管理局への引っ越し理由の説明

永住許可申請では、安定した収入と生活基盤が重視されます。
引っ越しが「転職のたびに住所を変えている」と見える場合、安定性を疑われる可能性があります。

そのような場合には、
「勤務地に近い場所へ移動した」「家族構成の変化により住居を広げる必要があった」
など、転居理由を明確に説明できるよう準備しておくことが重要です。

あわせて、源泉徴収票や課税証明書を提出し、収入が継続的かつ安定していることを
客観的に示すことが、審査上の信頼につながります。

まとめ

引っ越し回数が多いこと自体が、直ちに永住許可申請に不利となるわけではありません。
重要なのは、それぞれの転居について合理的で一貫した説明ができること、
そして収入や納税状況が安定していることを証明できる点です。

課税証明書、源泉徴収票、給与明細などの客観的資料を整え、
転居の背景を丁寧に説明することで、
入国管理局に対して「安定した生活基盤を築いている」と評価してもらうことが可能です。

適切な準備を行えば、引っ越しの多さが審査上の大きな懸念となることはほとんどありません。
安心して永住許可申請に臨みましょう。