高度専門職による早期永住権取得事例:
ITエンジニアとその家族が4年で永住権を獲得した方法

目次

事例概要

インド国籍のITエンジニアBさん(32歳)は、日本での滞在がわずか4年で永住権を取得することに成功しました。一般的には永住許可申請には10年程度が必要とされる中、彼が大幅にその期間を短縮できた秘訣は、彼の在留資格が「高度専門職」であったからです。

本コラムでは、高度専門職1号の在留資格を持つITエンジニアが、どのように早期永住権を取得したのか、その申請プロセスと成功のポイントを詳しく解説します。

相談者プロフィール

Bさんの基本情報

年齢・国籍 32歳、インド国籍
家族構成 妻(インド国籍)、長女(インド国籍)
職業 ITエンジニア
在留資格 高度専門職1号
日本滞在期間 4年

相談のきっかけ

Bさんは来日から4年が経ち、日本のIT業界に魅力を感じるようになり、長期的に日本でITエンジニアとして働きたいと考えています。高度専門職ビザでは、通常よりも在留期間の要件が緩和されていることを知っていましたが、詳細については理解していませんでした。

課題と解決策

課題

初回相談を通じて、Bさんが直面していた課題は以下の2点でした。

課題 詳細
1.高度人材ポイント制度の理解不足 制度の概要は知っていたが、詳細な申請要件や手続きを把握していなかった
2.家族の永住申請 妻と長女も同時に永住権を取得する方法を知りたかった

解決策

当事務所では、Bさんの課題を解決するために、以下の対応を行いました。

1.申請手続きの徹底サポート

1)永住許可申請に必要な要件(条件)を満たしているか確認:

①素行が善良であること

②高度専門職のポイントを維持したまま、3年または1年以上日本に継続して在留していること

③在留資格の在留期間が3年以上であること

④収入が安定していること

⑤適切に納税していること

⑥年金を適正に納付していること

⑦健康保険料を適正に納付していること

2)申請書への記入

3)必要書類のリストアップと収集

4)理由書の作成

2.家族の永住許可申請への対応

1)家族同時申請の要件(条件)確認

2)申請書への記入

3)必要書類のリストアップと収集

4)家族の将来計画を考慮した最適な申請戦略を提案

申請に必要な書類一覧

基本書類

・永住許可申請書

・写真(6ヶ月以内に撮影のもの)

・理由書

・住民票

・在職証明書

・住民税の納税証明書

・所得税の納税証明書(その3)

・年金の納付を証明する資料

・健康保険証のコピー

・パスポート

・在留カード

・身元保証書および身元保証人の運転免許証のコピー

・了解書

・セルフチェックシート

家族関連書類

・永住許可申請書(妻と子ども)

・妻の納税証明書

・妻の年金の納付を証明する資料

・妻と子どもの健康保険証のコピー

・妻と子どものパスポート

・妻と子どもの在留カード

・婚姻証明書のコピー

・出生証明書のコピー

・子どもの学校在籍証明書

その他必要書類

・運転経歴証明書および運転免許証のコピー

・年収見込証明書

・家族写真(任意)

申請から許可までのタイムライン

Bさんのケースでの申請プロセス

1.初回相談(1日)

・家族も含めた申請の要件(条件)の確認

・必要書類の確認と準備方針の決定

2.書類収集・準備期間(2ヶ月)

・申請書類の作成

・必要書類の収集と翻訳

・理由書の作成

・ポイント計算表の作成と証明資料の準備

3.申請書類提出(1日)

・入国管理局への申請書類提出

・申請受理と審査開始

4.審査期間(10ヶ月と6日)

・書類審査

・必要に応じて追加資料の提出

・結果通知の待機

5.許可・在留カード受け取り(1日)

・永住許可の通知

・「永住者」在留カードの受け取り

一般的な永住権申請との比較

申請タイプ 申請条件 平均審査期間
高度人材(80点以上) 1年以上の滞在 5〜18ヶ月
高度人材(70点以上) 3年以上の滞在 5〜18ヶ月
技術・人文知識・国際業務などの就労ビザ 10年以上の滞在 6〜18ヶ月

※審査期間は、申請資料の完成度、申請状況や地域によって異なります。

家族の永住申請について

家族の永住権申請条件

家族が同時に永住許可申請をするには、次の条件を満たす必要があります:

①法律上の婚姻関係があり、婚姻を証明できること。

②結婚してから3年以上が経過していること

③家族の日本滞在期間が1年以上であること

④素行が善良であること

Bさんの家族のケース

①法律上の婚姻関係があり、婚姻を証明できること

婚姻証明書によって結婚を証明し、実態のある生活を家族写真などで示しました。

②結婚してから3年以上が経過していること

婚姻証明書の日付で証明しました

③家族の日本滞在期間が1年以上であること

住民票で証明しました

④素行が善良であること

納税証明書、ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面、健康保険証のコピー、運転記録証明書で証明しました

成功のポイント

Bさんのケースでの成功要因

1.申請書類の質の向上

・申請書を正しく記入する

・添付資料を選別し、効果的な資料を添付する

・翻訳を正確に行い、専門性を高める

・理由書を論理的に構成し、説得力を持たせる

2.日本への貢献と将来計画を具体的に伝達

・日本社会へ貢献したい旨を具体的事例を交えて表明する

・日本での長期的な研究計画を具体的に明示する

・キャリアパスを明確にする

専門家が考える成功率を高めるポイント

当事務所の経験から、高度人材の永住権申請成功率を高めるには以下の点が重要です:

1.申請条件を満たしていること

条件を満たしていない場合、申請自体が却下される可能性が高いです。
まずは、入国管理局のチェックシートで確認してみてください

2.書類作成の質と一貫性

全ての提出書類は、過去に申請した際の書類と矛盾していないことが必要です

説得力のある理由書を作成します

3.日本社会への貢献度のアピール

・理由書において、将来の日本社会への貢献を示す具体的な計画を記載します

よくある質問

Q1
高度専門職で永住権を取得するメリットは何ですか?

A最大のメリットは永住権取得までの期間短縮です。一般的に10年程度必要な永住権取得が、高度人材ポイント制度では80点以上で1年、70点以上で3年に短縮されます。また、申請許可率も比較的高い傾向にあります。

Q2
家族も同時に永住権を取得することは可能ですか?

A可能です。ただし、本人と家族の滞在期間の条件は異なります。本人は、ポイント計算表で70点以上を獲得し、3年以上の滞在が必要です。一方、家族の在留期間は1年以上となります。また、実質を伴った婚姻生活が3年以上継続していることも必要です。

Q3
永住権申請から許可までどのくらいの期間がかかりますか?

A 一般的に、申請には6ヶ月から15ヶ月程度かかります。これは申請資料の完成度、地域、申請状況によって異なりますが、高度人材の場合、審査期間が若干早まる印象があります。当事務所ではそのように感じています。いずれにしても、申請がA案件に分類されることがポイントとなります。

Q4
申請が却下されるリスクはありますか?

A高度人材ポイント制度での申請は比較的高い許可率がありますが、書類の不備や条件の不足がある場合は却下されることもあります。特に、納税・社会保険料の滞納や支払い遅延、出国制限違反、交通違反がある場合は、リスクが高まります。

Q5
日本語能力は必須ですか?

A必須ではありませんが、審査官の心証には有利に働くと思われます。なぜなら、日本語ができることで、日本人とのコミュニケーションが十分に行えると考えられるからです。

まとめ

Bさんのケースは、高度専門職を活用し、来日からわずか4年で永住権を取得した成功事例です。

当事務所では、Bさんのような高度専門職の方々の永住権取得を専門にサポートしています。お客様の背景や実績を最大限に活かした申請戦略を立案し、最短での永住権取得を目指します。

無料相談のご案内

高度人材ポイント制度や永住権申請についてのご相談は、初回無料で承っております。当事務所では、申請条件の確認や必要な申請書類の準備、永住権取得のポイントについての無料相談を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。