在留カードも更新が必要

「永住ビザ」とは、その在留期間に制限が設けられていない在留資格です。しかし、永住ビザを取得している永住者であっても、「在留カード」は一定期間ごとに更新が義務付けられています。つまり、永住ビザそのものは更新手続きが不要ですが、在留カードには有効期限があり、継続して日本に在留するには、一定期限内に更新をしなければなりません。

2025年4月以降、永住者の在留カードの有効期限は、法改正によりマイナンバーカードと同様に、10回目(18歳未満は5回目)の誕生日までとなりました。また、在留カードとマイナンバーカードの一体化により、更新手続きが簡素化され、オンラインでの申請も可能になりました。

このコラムでは、在留カードの更新に関する具体的な手続きや注意すべきポイントについて説明します。

永住ビザでも在留カードの更新は必要

在留カードの有効期限の変更

2024年の法改正により、永住者、高度専門職2号、および特別永住者に対して発行される在留カードの有効期限が変更されました。
新たな有効期限は、在留カードの交付日以後の10回目の誕生日までとなります。

ただし、18歳未満の方については、交付日以後の5回目の誕生日までが有効期限とされます。
この変更により、これまでの固定された更新期間とは異なり、個人の誕生日に基づく柔軟な運用が可能となります。

16歳未満の顔写真表示の義務化

これまで在留カードに顔写真が表示されなかった16歳未満の外国人についても、今回の改正により、顔写真の表示が義務付けられることとなりました。
これにより、すべての在留カード所持者の本人確認が、より確実かつ迅速に行えるようになります。

マイナンバーカードとの一体化

2024年の法改正により、在留カードとマイナンバーカードが一体化され、両者の有効期間が統一されました。この一体化により、更新手続きが一元化され簡素化され、行政手続きの利便性が大幅に向上します。今後は、在留カードおよびマイナンバーカードの同時更新が可能となり、ワンストップでの申請が実現します。

在留カードの更新方法

在留カードの更新手続きは、在留資格の更新と比べると非常に簡単です。以下に説明する通りに申請すれば、特に問題もなく、スムーズに更新できます。

申請ができる人

・永住者ご本人

・申請人の代理人(申請人が16歳未満の場合、または疾病その他の事由により自ら申請できない場合)

・取次者(弁護士または申請取次行政書士)

申請ができる期間

申請手続きが可能な期間は、在留カードの有効期間が満了する日の2か月前から、有効期限当日までです。一方、出張や留学など、やむを得ない事情がある場合は、通常の申請期間より前でも更新手続きを行うことができます。

必要な提出書類

・在留カードの更新申請を行う際には、申請内容や申請者の状況に応じて、以下の書類を準備する必要があります。

・在留カード有効期間更新申請書(出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードができます)

・写真(縦4cm×横3cm、6か月以内に撮影されたもの)

・パスポート原本(申請時に提示)

・現在の在留カード原本(申請時に提示)

・在留カード漢字氏名表記申出書(在留カードに漢字で氏名を併記したい場合のみ)

・事情説明書等(有効期限の2か月前から満了日までに申請することが困難な場合に提出)

・代理申請の場合の身分証明書類(代理人や取次者が申請する場合)

申請場所

お住まいの住所を管轄する地方出入国在留管理局

手数料

更新の手数料はかかりません。

新在留カードの交付時期

原則として、当日に新しい在留カードが交付されます。

在留カードの更新を忘れた場合

在留カードの有効期限が過ぎても、永住者はオーバーステイや退去強制で日本を出る必要はありません。永住者は他の在留資格とは異なり、在留期間が設定されていないため、在留資格が失効することはありません。したがって、更新を忘れても永住資格自体は失われず、退去強制にもなりません。

しかし、中長期に日本に滞在する外国人は、法律により有効な在留カードを所持することが義務付けられています。そのため、在留カードの有効期限が過ぎていると法律違反となります。更新手続きを怠ると、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに、更新手続きを怠り続けると、永住資格が失効するリスクがあります。

万が一、更新を忘れて期限が過ぎた場合は、速やかに管轄の入国管理局に問い合わせ、必要な手続きを行うことが重要です。この際、更新期限を過ぎてしまった理由を理由書で説明しなければならない場合があります。

取り消しを避けるためのその他の注意点

住所変更時は届出が必要

永住者が住所変更を行った場合、14日以内に新住所地の市区町村で転入届を提出する必要があります。また、虚偽の住所を届け出ることも法令違反となり、永住権取り消しの対象になる可能性があります。

海外出張中の更新期限到来に注意

在留カードの更新手続は、通常、有効期間満了の2か月前から満了日までの間に行います。ただし、海外出張や留学でその期間中に日本を離れる場合は、例外として出国前に更新できます。この場合、「在留カード有効期間更新申請書」に理由を説明します。

長期出国する際の注意点

中長期在留資格の外国人が日本を一時出国する際には、「再入国許可」または「みなし再入国許可」の申請が必要です。再入国許可は最長5年、みなし再入国許可は1年の有効期限(特別永住者の場合はそれぞれ6年と2年)となります。

永住者の場合、出国中に在留カードの有効期限が切れると永住ビザも失効します。よって、渡航予定が1年以内でも、延長が必要となる場合は通常の再入国許可を取得することをお勧めします。

社会保険料の未払いに注意

年金や健康保険料の未納は、日本の法令違反とみなされ、永住権の申請拒否や取り消し理由となることがあります。特に納期限を守らない場合や支払いが滞る場合に影響を受ける可能性があります。

まとめ

永住ビザは在留期間の制限がないものの、在留カードの更新が必要です。2025年4月以降、永住者の在留カードは18歳以上の場合、交付日から10回目の誕生日まで有効となります(18歳未満は5回目の誕生日まで)。また、マイナンバーカードとの一体化やオンライン申請の拡充により、手続きが簡素化されました。

在留カードの更新は、有効期限の2か月前から満了日まで可能ですが、やむを得ない事情で出国中の場合は前倒し申請も認められます。更新を忘れると、罰則や永住資格の失効リスクがあるため、注意が必要です。