はじめに
永住ビザは更新の必要がありませんが、在留カードの更新は7年ごとに行う必要があります。
このコラムでは、永住権を取得した後に行うべき手続きや注意点についてお伝えします。
永住権を取得した後の在留カードの更新手続き
「永住者」の在留カードの有効期間は7年です。在留カードの有効期間満了日の2か月前から満了日までの間に、「在留カードの有効期間の更新申請」を行う必要があります。
出張や留学で長期間日本を離れる場合、申請期間内に再入国できない場合でも、上記の申請期間前に更新手続きを行うことができます。
また、永住者が16歳未満の場合は、有効期限が16歳の誕生日までとなるため、16歳の誕生日の6カ月前から申請が可能です。16際になると、在留カードに写真が貼られます。
在留カード更新手続きの流れ
在留カード更新手続きは、非常に簡単で、以下の順番で行います。
①在留カード有効期間更新申請書、写真(16歳以上の場合)、パスポート、在留カードを用意します。
②住まいを管轄する入国管理局に提出します。また、オンライン申請も可能です。
③たいていは即日交付されます。費用はかかりません。
更新手続きができる人
・申請人(16歳以上の場合)
・同居する16歳以上の親族(16歳未満の場合、住民票など申請人の親族であることを証明する書類および委任状が必要)
・行政書士などの取次者
更新に必要な書類
・在留カード有効期間更新申請書
・写真(16歳以上の場合)
・パスポート(提示のため)
・在留カード(提示のため)
永住許可が取り消されるケース
以下の3つのケースでは、永住ビザを失う可能性があります。
1.犯罪や重い法律違反をした場合
以下のような犯罪や法律違反を行い、実刑判決を受けた場合には、素行が善良でないため、母国への強制送還の対象となり、永住権も取り消されます。
・無期または1年を超える懲役・禁錮で、刑務所に収容された場合
・麻薬や覚せい剤の使用や所持で有罪となった場合
・売春に係る仕事をした場合
・悪質な納税義務違反をした場合
・社会保険料の未納(今後取り消しの対象となります)
などです。
2.再入国許可の有効期間を超えて海外に滞在した場合
永住者日本から出国する際には、「再入国許可」が必要です。この許可を得ずに出国した場合、永住許可は取り消されます。
また、再入国許可を受けていても、有効期間内に帰国できなければ永住許可は取り消されます。日本に再度入国する場合は、査証の取得から始める必要があります。
再入国許可には「みなし再入国許可」と「再入国許可」の2種類があります。
日本からの出国が1年以内の場合
出国時に空港の入国審査官に対し、「一時的な出国であり再入国の意思がある」ことを告げて、みなし再入国許可の申請を行います。
具体的には、出国時に「再入国出入国記録」用紙の「一時的な出国であり、再入国する予定です」欄にチェックを付けるだけです。
日本からの出国が1年を超える場合
再入国許可は事前に入国管理局で手続きを行います。永住者には最長5年間の有効期間が与えられ、仮に5年間の有効期間内に日本に戻れない場合でも、日本大使館などの在外公館で1年の延長が可能です。このため、永住者は5年間の再入国許可を取得することをお勧めします。
また、特別永住者は最長6年間の有効期間で、特別な事情がある場合にはさらに1年間の延長が可能です。
3.在留カードの更新をしない場合
永住許可には有効期間はありませんが、在留カードには有効期間があります。16歳以上の場合は発行から7年後、16歳未満の場合16歳の誕生日までが在留カードの有効期間となります。永住者が有効期限内に更新を行わなくても、永住者には在留期間の定めがないため、不法滞在とはなりません。
ただし、期限内にカードの更新をしないと、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられる可能性があり、1年以下の懲役を受けると退去強制事由に該当し、永住許可が取り消される場合があります。
もし在留カードの有効期限が過ぎている場合は、すぐに入国管理局で更新手続きを行ってください。
その際、理由書に「期限超過の理由」「反省の意思表示」「今後の対策」を記載し、提出することをお勧めします。
まとめ
永住権を取得した後は、在留カードの更新手続きが必要です。在留カードは7年ごとに更新が必要で、16歳未満の場合は16歳の誕生日までが有効期限です。更新手続きは簡単で、必要書類を準備し、入国管理局で申請します。更新をしない場合、罰金や懲役の可能性があり、永住権が取り消されることもあります。
また、永住権が取り消される主な理由は次の3つです。1つ目は犯罪や重大な法律違反で有罪判決を受けた場合、2つ目は再入国許可の期限を超えて海外に滞在した場合、3つ目は在留カードを更新しなかった場合です。特に再入国許可については、1年以上日本を離れる際には事前手続きが必要です。
たとえ永住許可を取得していても、他の在留資格と同様に、日本の法律やルールを守らなければ永住権は取り消されることになります。
ご不明点がある場合は、行政書士に相談するのも一つの方法です。