はじめに
永住ビザは更新の必要がありませんが、在留カードの更新は定期的に行う必要があります。「永住ビザ」とは、在留期間に制限が設けられていない在留資格ですが、永住ビザを取得している永住者であっても、「在留カード」は一定期間ごとに更新が義務付けられています。
このコラムでは、永住権を取得した後に行うべき手続きや注意点、そして永住権が取り消されるケースについて詳しく解説します。
永住権を取得した後の在留カードの更新手続き
現在、外国人は在留カード等とマイナンバーカードの手続きを別々の機関で行う必要があり、手続きが煩雑です。今回の法改正により、これらを一体化した「特定在留カード等」が導入され、地方出入国在留管理局で一括して手続きできるようになります。これにより、外国人の利便性が向上し、行政の効率化も図られます。
「特定在留カード」とは
特定在留カードや特定特別永住者証明書は、マイナンバーカードの機能を加えた在留カード等のことです。これにより、在留カードとマイナンバーカードの役割を1枚のカードで果たせるようになります。
特定在留カードの有効期限
従来、「永住者」の在留カードの有効期間は7年でしたが、2024年の法改正により状況が変わりました。
今回の改正法では、外国人にとっての利便性を向上させるため、在留カードとマイナンバーカードの有効期間を一致させ、その更新手続を一元的に行うことを可能としています。
すなわち、在留期間が無期限とされている永住者、高度専門職2号及び特別永住者に交付される在留カード及び特別永住者証明書の有効期間は、交付の日後の10回目(18歳未満の者については5回目)の誕生日までとなります。なお、在留期間に定めのある中長期在留者に対して交付される在留カードの有効期間は、引き続き在留期限までとなります。
この一体化により、在留カードとマイナンバーカードの有効期間が統一され、更新手続きが一元化・簡素化されました。今後は、在留カードおよびマイナンバーカードの同時更新が可能となり、ワンストップでの申請が実現し、行政手続きの利便性が大幅に向上します。
特定在留カード更新手続きの流れ
在留カード更新手続きは、在留資格の更新と比べると非常に簡単です。以下の順番で行います。
①必要書類の準備
- ・在留カード有効期間更新申請書(出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロード可能)
- ・写真(縦4cm×横3cm、6か月以内に撮影されたもの)
- ・パスポート(提示のため)
- ・在留カード(提示のため)
- ・在留カード漢字氏名表記申出書(漢字で氏名を併記したい場合のみ)
- ・事情説明書等(通常の申請期間外に申請する場合)
②提出先
住まいを管轄する地方出入国在留管理局に提出します。
③交付
たいていは即日交付されます。
更新手続きができる人
- ・申請人本人(16歳以上の場合)
- ・申請人の代理人(16歳未満の場合、または疾病その他の事由により自ら申請できない場合。住民票など申請人の親族であることを証明する書類
- ・および委任状が必要)
- ・取次者(弁護士または申請取次行政書士)
申請ができる期間
在留カードの有効期間満了日の3か月前から満了日までの間に、「在留カードの有効期間の更新申請」を行う必要があります。
ただし、出張や留学など、やむを得ない事情がある場合は、通常の申請期間より前でも更新手続きを行うことができます。申請期間内に再入国できない場合でも、出国前に更新手続きが可能です。この場合、「在留カード有効期間更新申請書」に理由を説明する必要があります。
また、永住者が16歳未満の場合は、有効期限が16歳の誕生日までとなるため、16歳の誕生日の6カ月前から申請が可能です。16歳になると、在留カードに写真が貼られます。
在留カードの更新を忘れた場合
永住資格は失われないが法律違反となる
在留カードの有効期限が過ぎても、永住者はオーバーステイや退去強制で日本を出る必要はありません。永住者は他の在留資格とは異なり、在留期間が設定されていないため、在留資格が失効することはありません。したがって、更新を忘れても永住資格自体は失われず、退去強制にもなりません。
しかし、中長期に日本に滞在する外国人は、法律により有効な在留カードを所持することが義務付けられています。そのため、在留カードの有効期限が過ぎていると法律違反となります。
罰則と永住権取り消しのリスク
期限内にカードの更新をしないと、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
更新を忘れた場合の対処法
もし在留カードの有効期限が過ぎている場合は、すぐに入国管理局で更新手続きを行ってください。
その際、理由書に以下の内容を記載し、提出することをお勧めします:
- ・期限超過の理由
- ・反省の意思表示
- ・今後の対策
速やかに管轄の入国管理局に問い合わせ、必要な手続きを行うことが重要です。
永住許可が取り消される3つのケース
たとえ永住許可を取得していても、他の在留資格と同様に、日本の法律やルールを守らなければ永住権は取り消されることになります。以下の3つのケースでは、永住ビザを失う可能性があります。
1. 犯罪や重い法律違反をした場合
以下のような犯罪や法律違反を行い、実刑判決を受けた場合には、素行が善良でないため、母国への強制送還の対象となり、永住権も取り消されます。
- ・無期または1年を超える懲役・禁錮で、刑務所に収容された場合
- ・麻薬や覚せい剤の使用や所持で有罪となった場合
- ・売春に係る仕事をした場合
- ・悪質な納税義務違反をした場合
- ・意図的な社会保険料の未納(今後取り消しの対象となります)
2. 再入国許可の有効期間を超えて海外に滞在した場合
永住者が日本から出国する際には、「再入国許可」が必要です。この許可を得ずに出国した場合、永住許可は取り消されます。
また、再入国許可を受けていても、有効期間内に帰国できなければ永住許可は取り消されます。日本に再度入国する場合は、査証の取得から始める必要があります。
中長期在留資格の外国人が日本を一時出国する際には、「再入国許可」または「みなし再入国許可」の申請が必要です。
日本からの出国が1年以内の場合(みなし再入国許可)
出国時に空港の入国審査官に対し、「一時的な出国であり再入国の意思がある」ことを告げて、みなし再入国許可の申請を行います。
具体的には、出国時に「再入国出入国記録」用紙の「一時的な出国であり、再入国する予定です」欄にチェックを付けるだけです。
有効期限:1年間(特別永住者の場合は2年間)
日本からの出国が1年を超える場合(再入国許可)
再入国許可は事前に入国管理局で手続きを行います。永住者には最長5年間の有効期間が与えられ、仮に5年間の有効期間内に日本に戻れない場合でも、日本大使館などの在外公館で1年の延長が可能です。このため、永住者は5年間の再入国許可を取得することをお勧めします。
また、特別永住者は最長6年間の有効期間で、特別な事情がある場合にはさらに1年間の延長が可能です。
永住権取り消しを避けるためのその他の注意点
住所変更時は届出が必要
永住者が住所変更を行った場合、14日以内に新住所地の市区町村で転入届を提出する必要があります。また、虚偽の住所を届け出ることも法令違反となり、永住権取り消しの対象になる可能性があります。
まとめ
永住権を取得した後は、在留カードの更新手続きが必要です。2024年の法改正により、マイナンバーカードと一体化した特定在留カードでは、18歳以上の場合、交付日から10回目の誕生日まで有効となります(18歳未満は5回目の誕生日まで)。また、マイナンバーカードとの一体化やオンライン申請の拡充により、手続きが簡素化されました。
更新手続きは、有効期限の2か月前から満了日まで可能ですが、やむを得ない事情で出国中の場合は前倒し申請も認められます。更新手続きは簡単で、必要書類を準備し、入国管理局で申請すれば、たいてい即日交付されます。更新をしない場合、罰金や懲役の可能性があります。
また、永住権が取り消される主な理由は次の3つです:
- 1. 犯罪や重大な法律違反で有罪判決を受けた場合
- 2. 再入国許可の期限を超えて海外に滞在した場合
- 3. 意図的に税金や社会保険料を納付しない場合
特に再入国許可については、1年以上日本を離れる際には事前手続きが必要です。また、出国中に在留カードの有効期限が切れると永住ビザも失効するため、渡航予定が1年以内でも延長が必要な場合は通常の再入国許可を取得することをお勧めします。
その他、住所変更時の届出(14日以内)や社会保険料の納付も、永住権を維持するために重要です。
たとえ永住許可を取得していても、他の在留資格と同様に、日本の法律やルールを守らなければ永住権は取り消されることになります。ご不明点がある場合は、行政書士に相談するのも一つの方法です。
