はじめに
ほとんどの在留資格の申請では、「理由書」の提出は任意ですが、永住権申請においては「理由書」を必ず提出しなければなりません。永住申請を行う際は、さまざまな要件を満たす必要があり、すべての要件を満たしていることを理由書で説明します。また、日本で今後も生活したいという意思を伝えることも重要です。
理由書を書く目的
永住権申請における理由書の最大の目的は、入国管理局の審査官に「この外国人は日本国の利益に有益であるため、永住者にする価値がある」と思わせることです。
そのためには、具体的な事例を織り込み、論理的なストーリーで文章を構成する必要があります。
理由書に記載する内容
理由書には提携のフォームがないため、申請者は自由に記載することができます。
担当の行政書士の場合、以下の4つの柱をもとに、A4用紙2枚に文章を組み立てます。
担当の行政書士の場合は
①来日してから現在までの経緯
②仕事の状況
③在留資格「永住者」許可のための要件
④日本で生活したい理由
具体的には、以下の15項目を理由書に含めます。
1.申請者の個人情報:氏名、国籍、生年月日、連絡先などの基情報
2.現在の在留資格と取得したい在留資格
3.日本における過去の滞在歴や外国への渡航歴
4.在留期間中の職務内容や勤務先の情報
5.日本での生活基盤が整っていることの説明として、生活費の捻出方法や住居の確保状況
6.税金、年金、健康保険の滞納や遅延がないこと
7.出国違反がないこと
8.交通違反がないこと、または軽微であること
9.家族に資格外活動違反がないこと
10.身元保証人との関係
11.日本に興味を持った理由
12.日本社会への適応
13.家族の状況
14.在留資格を申請する理由
15.申請者の誠実性を示す情報
理由書を作成する際のポイント
以下の5つに留意してテキストを作成します。
1.記述内容を裏付ける証拠書類(内定通知書、入学許可書など)を添付します。
2. 具体的な事実や数字を示して説得力を持たせます。
3. 内容が論理的に整理され、矛盾がなく一貫性を持った文章となるようにします。
4. レイアウトを見やすくします。
5. 必要な情報を過不足なく盛り込み、読みやすい文章で簡潔にまとめます。
永住許可申請時に理由書を添付することの意味
在留資格取得時に理由書を添付することには、以下の重要な意味があります。
1.審査官に申請者の経歴や状況を詳しく伝えることで、申請者に対する理解が深まります。
2.在留資格申請書で記載しきれない情報を補足できます。
3.申請者の過去の在留歴に対する疑念を解消できます。
4.なぜ条件を満たしていないのかを詳しく説明できます。
5.申請者が適法に日本に滞在することを希望していることを情熱をもって伝えられます。
まとめ
永住権申請の「理由書」は、申請者が日本での生活に適応し、社会に貢献できる人物であることを審査官に伝えるための重要な申請書類です。
永住審査において、審査官はまず理由書を通じて全体像を把握することから始めると言われています。
来日からの経緯や職務内容、生活基盤の状況については、具体的な数字や事実を盛り込むことで説得力を持たせることが重要です。また、現在の状況や将来の計画を誠実に伝えることで、審査官に良い印象を与え、永住許可の可能性を高めることができます。
さらに、申請書では補いきれない情報を補足し、申請者の誠実さや日本社会への適応能力を強調する手段としても役立ちます。
論理的かつ説得力のある理由書を作成し、早期永住を目指しましょう。
最も重要な申請書類である「理由書」の書き方が分からなかったり、内容に不安がある場合は、行政書士に相談することをお勧めします。