「経営管理」ビザから永住権取得を成功させる方法!知らないと損する重要ポイント

はじめに

「経営管理」ビザは、外国人が日本で会社を設立するために必要な在留資格です。このビザを取得後、5年以上の就労実績と10年以上の日本在留期間があれば、永住ビザの申請が可能になります。
さらに、「経営管理」ビザを持つ外国人は、高度専門職向けの高度人材ポイント制を利用することで、永住申請に必要な在留期間を3年または1年に短縮できます。まずはご自身の高度人材ポイントが70点以上であるかをご確認ください。
高度人材に該当する場合は、次のコラムもご参考にしてください。

「経営管理」ビザから永住許可申請をするための要件

「経営管理」ビザを持つ方が、永住許可申請をするには、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザの要件に加え、経営管理独自の要件も必要です。

1.素行が善良であること(素行善良要件)

この要件は就労ビザのものと同様で、具体的には以下の義務を果たす必要があります。

・日常生活において法令を遵守していること

・懲役や禁錮刑を受けていないこと

・重大な交通違反を起こしておらず、また軽微な交通違反を繰り返していないこと

・家族が資格外活動許可を得て働いている場合、週28時間を超えて働いていないこと

2.独立の生計を営むに足りる資産や技能を有すること(独立生計要件)

1)就労ビザと同様の要件は、「日常生活において公共の負担になることなく、自分の資産などにより家族が将来も安定した生活を送れること」です。

2)一方、経営管理独自の要件は以下の通りです。(この部分は文字色を変えます)
・経営者の役員報酬は、直近過去3年間連続して年間300万円以上であること。

会社経営では、経費削減のために役員報酬を月額20万円などに低く抑えるケースがあります。
この場合、年間300万円の役員報酬には届かず、独立生計要件を満たさないことになります。
ただし、経営者でなくとも配偶者が年収300万円以上であれば問題ありません。

・扶養人数が1名につき、役員報酬にプラス70万円が加算されること
・会社が継続的に赤字でないこと、また、黒字であっても債務超過になっていないこと

つまり、経営が困難になり、生活保護を受けることで日本国の利益を損ねてはならないということです。
そのため、起業1年目は経営が安定していないケースが多く、不許可になる可能性が高いです。当事務所では、事業が黒字で、かつ無借金経営の状態になってから永住許可申請をすることをお勧めしています。

3. その者の永住が日本国の利益に合致すると認められること(国益適合要件)

申請者が日本に永住することが、日本国の利益となるかどうかを判断します。
この要件は就労ビザのものと同様で、具体的には以下の条件が審査されます。

・継続して10年以上在留していること。この期間のうち、直近5年間は「経営管理」ビザを持って日本に在留していること。ただし、技術・人文知識・国際業務など、他の就労ビザと合算して5年以上の就労があれば問題ありません。

・1回の出国が90日を超えず、年間合計で100日以上出国していないこと

・感染症患者でなく、覚醒剤などの中毒者でないこと

・経営する会社および個人の納税や社会保険料に関する公的義務を適切に果たしていること。会社経営者は一人でも、厚生年金および健康保険への加入義務があります。年金事務所が発行する社会保険料納入証明書により、納付を証明します。この点は、他の就労ビザから永住権許可申請を行う場合とは異なります。

4.身元保証人がいること

この要件も就労ビザのものと同じです。

「経営管理」ビザから永住許可申請をするための必要書類

1.永住許可申請書

2.写真

3.理由書

4.世帯全員の住民票

5.直近3年分の住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書

6.預貯金通帳のコピーや領収証書など

7.国税の納付状況を確認するための納税証明書(その3)

8.直近2年間の年金の納付状況を証明する「ねんきん定期便」または、ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面、国民年金の方は国民年金保険料領収証書のコピー

9.直近2年間の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料:健康保険被保険者証のコピーまたは国民健康保険被保険者証のコピー

10.パスポートまたは在留資格証明書(提示のみ)

11.在留カード(提示のみ)

12.身元保証書

13.身元保証人の運転免許証のコピー

14.了解書

15.「経営管理」ビザ特有の申請書類
・登記事項証明書
・定款のコピー
・営業許可書のコピー
・直近3年分の決算書の控えのコピー
・会社案内やホームページのコピー

まとめ

「経営管理」ビザを持つ外国人が永住権を取得するためには、一般的な就労ビザと共通する要件に加え、事業の安定性や社会保険への加入といった独自の要件を満たす必要があります。

1.事業の安定性

永住権申請には、経営する会社が安定して黒字経営を続けていることが求められます。特に、役員報酬は過去3年間連続して年間300万円以上である必要があります。さらに、会社が継続的に赤字でなく、債務超過に陥っていないことも条件です。

2.社会保険への加入

会社経営者であっても、厚生年金および健康保険への加入が義務付けられています。この点は他の就労ビザとは異なる重要なポイントです。
これらの「経営管理」ビザに特有の要件を満たすことで、「経営管理」ビザから永住権取得の可能性が高まります。