韓国人の永住権申請完全ガイド|特別永住者や帰化との違い

韓国人在留者の現状と永住権取得動向

2024年末統計データ

日本に在留する外国人の数は、国籍別では、韓国を除きいずれも前年末に比べ増加しています。
一方、韓国人は 409,238人で2023年よりも918人減少しています。これは特別永住者の数が減少していることが影響していると思われます。

永住者数の内訳

在留資格別では、「特別永住者」が247,809人で、全特別永住者数の90.4%を占めます。一方、「永住者」は 76,346人で、全体の8.3%にすぎません。

韓国人コミュニティの特徴

地理的分布

首都圏集中

東京、神奈川、埼玉に約60%が集中

関西圏

大阪、京都、兵庫に約20%が居住

地方分散

その他地域に約20%が分散

年齢構成の特徴

若年層(20-30代)

主に留学後の就職組が多く存在します。

中年層(40-60代)

主に家族帯同での長期滞在組が中心です。

高齢層(70代以上)

主に特別永住者に関係する方が該当します。

特別永住者制度との重要な区別

韓国人の永住権申請を理解する上で、特別永住者制度との区別は極めて重要です。これは「似て非なるもの」の典型例と言えるでしょう。

制度の根本的違い

特別永住者制度

対象

・1945年以前から戦争の影響で、日本国内に住まざるを得なくなった朝鮮半島出身者および台湾出身者とその子孫。

法的根拠

・1991年に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」

取得方法

・出生と届出により自動的に取得でき、審査は不要です。在留カードの代わりに、特別永住者証明書が交付されます。

世代継承

・自動的な基準はありませんが、3世・4世に認めらています。

一般永住権

対象

・1945年以降に入国したすべての外国人

法的根拠

・出入国管理法に基づく許可制度

取得方法

・要件を満たした上での申請許可制

世代継承

・継承はされず、各自で申請が必要

実務上の重要な相違点

手続き面

特別永住者

・地位を証明することで手続きが完了

永住権

・通常の申請手続きと審査が必要

権利面

特別永住者

・退去強制事由が極めて限定的

永住権

・犯罪や故意による納税違反で退去強制の可能性あり

更新面

特別永住者

・7年ごと

永住権

・7年ごと

韓国人が永住権取得で得る5つの特別なメリット

1. 韓国国籍維持と日本定住の両立

韓国人にとって永住権は「文化的、地理的に近い、二つの故郷を結ぶ架け橋」の役割を果たします。

具体的メリット

韓国への不動産投資や韓国での事業が継続できます。
国籍は韓国のままなので、生活の拠点を勧告に移す際は、韓国人としての帰国が可能です。
ただし、長期に日本を出国するため、日本の在留資格は失効します。

2. 就労制限の撤廃

以下のように、従来在留資格で定められた職種以外の仕事もできます。

・日本人と同じ条件で、会社を経営することができます。

・ホワイトカラー、ブルーカラー、どちらの仕事もできます。

・就労時間を気にすることなく、コンビニで働くこともできます。

3. 住宅ローン・金融サービスの優遇

金融機関からの信用度が向上するので、以下のメリットがあります。

・住宅ローンの優遇金利を受けることができます。

・投資用不動産ローンの承認率が向上します。

・クレジットカードの限度額が大幅に増額されます。

・事業資金の調達が比較的容易にできます。

4. 家族の安定した継続在留

家族全体の安心感向上

・配偶者の在留資格が、より柔軟性のある「永住者」または「永住者の配偶者等」に変更となります。

・子どもの在留資格が、より柔軟性のある「永住者」または「定住者」に変更となります。

5. 在留資格「永住者」を持つことでの、帰化申請時の有利な点

永住権を持っていることは、帰化申請時に安定性を証明する要素となります。
日本社会に適応しているという客観的な証明になります。

永住許可申請の3つの審査要件

永住許可を得るためには、以下の3つの柱となる要件を満たす必要があります。
これらの条件は、他の外国人と同じです。

① 素行が善良であること

社会的に信頼される生活を送っているかが問われます。

・重大な違反や犯罪歴がない。

・交通違反が少ない。

・社会的に非難されるような行為をしていない。

② 独立した生計を営んでいること

・安定した生活基盤がある。

・生活が生活保護に依存していない。

③ 日本の利益に合致していること

日本社会に定着し、貢献しているかが判断されます。主な確認ポイントは以下の通りです:

項目 内容
在留歴 原則として10年以上継続して日本に在留していること。そのうち、就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)または居住資格で5年以上在留していること。
公的義務の履行 住民税・所得税・社会保険料(年金・健康保険)を適切に納付していること。
在留期間 現在の在留資格が「3年から5年の在留期間」であること。
公衆衛生 感染症など、公衆衛生上の問題がないこと。

永住権 vs 帰化申請の比較検討

韓国人にとって「永住権か帰化か」は、人生における重要な選択です。
これは「アイデンティティの選択」とも言える深刻な決断です。

それぞれのメリットとデメリット

法的地位の比較
項目 永住権 帰化申請
国籍 韓国国籍を維持 日本国籍を取得
選挙権 なし あり
公務員 原則不可 制限なし
パスポート 韓国パスポート 日本パスポート
韓国での権利 維持 喪失

心理的・文化的な要因

永住権を選ぶ理由

アイデンティティの保持

韓国人としての自己認識が維持できます。

家族との絆

韓国の家族や親族との関係を今までと同じように維持できます。

可逆性

将来韓国へ帰国する選択肢を残したまま、日本で生活ができます。

二重アイデンティティ

日韓両国に対する帰属意識が高まります。

帰化を選ぶ理由

完全な日本社会への参加

政治活動に参加することができます。

職業選択の自由

公務員や政治家になることが可能です。

国際移動の自由

信頼性の高い日本のパスポートで海外へ入国ができます。

よくある質問(FAQ)

Q1
特別永住者と永住権の違いは何ですか?

A根本的に異なる制度です:

特別永住者:入管特例法に基づき、第二次世界大戦後に日本国籍を失った韓国人、朝鮮人、台湾人とその子孫に付与されます。
永住権:日本に無期限で住み続けることができる在留資格です。

Q2
韓国への帰省頻度に制限はありますか?

A韓国に限らず、海外へ出国する際には、以下の出国日数制限があります:

年間の出国日数が合計100日未満であること。
1回の出国が90日未満であること。

Q3
永住権と帰化、どちらを選ぶべきですか?

A個人の価値観と生活スタイルによります:

永住権向き:韓国との往来が多い方、アイデンティティを重視する方
帰化向き:完全な日本社会参加を目指す方、公務員を志望する方
一度選択をすると変更は極めて困難ですので、専門家に相談することをお勧めします。

Q4
韓国の書類はすべて翻訳が必要ですか?

Aはい、家族関係証明書、婚姻関係証明など、韓国語の書類はすべて日本語翻訳が必要です:

まとめ

韓国人の年配の方は、特別永住者という特別な証明書をお持ちです。一方、比較的若い方が永住許可申請を行う際は、他国の方と同様の条件が適用されます。

永住権は、韓国籍を保持しつつ日本社会に深く根を下ろすための制度的な土台であり、日韓両国をつなぐ架け橋としての役割も果たします。これは、韓国人としてのアイデンティティを守りながら、日本での安定した未来を築くための重要なステップです。

私たちは、韓国人コミュニティの皆様が永住権を取得できるよう全力でサポートし、日本での新しい人生の扉を開くお手伝いをいたします。